花は散る。だから散れ。それが美しい。

「花は散るから美しい」

 

私はただただ桜情景を見て誰かが唄ったのかと思ってたが違うらしい。だから調べた。

何やら 世阿弥能楽論「風姿花伝」にある言葉だとか。

【花は散るからこそ、次に咲いたときに美しさを感じることができる。 】

【咲き誇る花もやがて散るからこそ、大切な思い出として心に留まる。】

といった解釈らしい。ネットで探したので恐らくだいたい合ってるはず。


「有限なこの世界に無限の美を演出しようとした」とか何とかも書いてあった。なるほど分からん。だって、無限って美しい?次とか留まるとかそんなのいちいち考えてなくない?え?散る「その瞬間」がいいんでしょ?

 

と、ふと思ってしまって、はたと思った。

私、刹那主義、、、、、?????

 

桜を見て思うこと。咲き始めや満開散り始めは特に何も思わない。

でも桜が一気に散り、一気にその季節が終わるような情景を目にしたとき心が高鳴る。「次に咲く」とか「思い出が留まる」とかそんなことは一切考えずただ「散るこの瞬間が美しい」と思ってしまう。

この時が永遠に続けばいいとも思わない。すべてが散ったら背を向ける、なんなら散っている間はそこを歩き、散り終わったと同時に興味が削がれたようにその場を去るくらいが丁度い良いので永遠とか無限とかそういうの、いらない。もっと言えば散らないなら咲かなくていい。咲いてるだけなら美しいとは思わないし私が桜に求めるのは清い散り方。いいか貴様ら美しく一思いに散れ。

 

あれ、刹那主義というかもはや武士では、、、???

でも散る時が美しいよね?え?そうだよね?ということで調べた。

 

そういう意味で唄ったやつはいねーのか、と。

 

いた。

 

散ればこそ いとど桜はめでたけれ 憂き世になにか 久しかるべき

【散るからこそ、桜は一層素晴らしい。この憂い世の中でいつまでも変わらずにいられるものはあるだろうか。いや、そんなものはありはしない】(伊勢物語より)

 

これ、「世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし」という「桜なんてなきゃ春はのどかに暮らせんのにな」っていう唄に対する返答だった。あれ、結局「花は散るから美しい」の解釈に戻ってない?難しいね。結論言っていい?花は散る、だから散れ。それが美しい。こんなに唄があるんだから、需要はある。 (味気ない)

 

でも、この世の中にいつまでも変わらずにいられるものなどない、っていう言葉、

分かりみが深すぎてしんどみの極み。(意訳:そもそも不変なものが一番味気ないと私は思っている。永遠の〇〇とか、一生〇〇とかそういうの、私には頗る魅力が分からない。変わらないものって退屈じゃない?)

 

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桜ってあれ、「終わりを見れる」から美しいんじゃないかと思ったり。

とか言っても私今海外住みでもうしばらく桜見てないんですけどね。